石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
スピロ化合物を活用する機能性高分子合成
非収縮性 (膨張性) モノマー, 材料を中心として
遠藤 剛高田 十志和
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 32 巻 5 号 p. 237-247

詳細
抄録

ビニルモノマーや開環性モノマーが重合する際, またエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が硬化する際に大きな体積収縮を伴う。この現象は接着剤, 精密成型材料, 封止剤など材料科学の分野で大きな問題である。筆者らは, 重合時に非収縮性を示すスピロ骨格をもつ種々のモノマーを開発した。さらに, それらのモノマーの機能化による多官能性モノマーやビニル基をもつモノマー, またそれを応用した側鎖, 主鎖, 及びグラフト鎖に非収縮性機能団をもつ高分子や自己架橋型非収縮性高分子等を合成した。さらに, スピロモノマーの重合成長種が極めて安定であることに着目して, スピロモノマー及びビニルモノマーとのブロック共重合体の合成への道を開拓した。

著者関連情報
© 公益社団法人石油学会
前の記事 次の記事
feedback
Top