1989 年 32 巻 5 号 p. 273-276
2, 3-および2, 6-ジメチルナフタレン, 4, 4'-ジメチルビフェニル, p-キシレンなどを試料とし, 酢酸溶液中, 90°C, Co-Mn-Br系触媒による酸素酸化を行い, カルボン酸, アルデヒドなど生成物の収率に対する水の影響を検討した。酢酸溶媒の1/19を水で置換すると, 基質の酸化速度は無添加時の50~80%に低下するが, アルデヒドの酸化速度に対する影響は大きく, 30%に低下した。水添加により, アルデヒドの生成反応も酸化反応もともに抑制されるが, 基質の反応率に対するアルデヒド選択率のプロットにより, 水の添加効果を比較したところ, アルデヒドの最高選択率は水の添加により2~11%増加し, 51~67%にまで向上することを認めた。