活量係数の推算法であるグループ溶液モデルは常圧気液平衡の推算に広く使われており, 代表的なモデルであるASOG, UNIFACや修正UNIFACは現在約50グループからなる系に適用できるようになっている。グループ溶液モデルは最近, 3次型状態式と過剰自由エネルギー型混合則とを組み合わせた高圧気液平衡の推算にも利用できるようになった。また, 適用する混合物も極性物質はもちろん, 電解質やポリマーを含む系にまで拡張されている。さらに, 液液平衡, 固液平衡, ガス溶解度, 固気平衡などの溶解度や過剰エンタルピーへの適用性も拡大されている。
本論文は筆者らが開発してきたASOGと, 世界的に広く使われているUNIFACによる熱力学物性の推算について, 最近の文献を中心にまとめたものである。