石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
担持酸化セリウムを触媒とする酸素共存下でのNOのプロペンによる選択還元
中戸 晃之山田 晃久奥原 敏夫
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 42 巻 2 号 p. 101-106

詳細
抄録

種々の酸化物に担持した酸化セリウムを触媒とする酸素共存下でのNOのプロペンによる選択還元反応を検討した。CeO2を担持せずに触媒として用いた場合, NOの還元はあまり進行せず, むしろ酸化反応 (NOからのNO2の生成やプロペンからのCO, CO2の生成) が促進されたが, Al2O3, ZrO2, Ga2O3などの酸化物に担持することによって300~400°Cの温度範囲で良好なNO還元活性が得られた。中でもAl2O3担持CeO2が最も高い活性を示した (Al2O3そのものはこの温度範囲ではほとんど活性を示さない)。また, この触媒の活性は同温度範囲でPt/Al2O3の活性よりも高かった。このようなAl2O3担持CeO2の触媒作用は, CeO2の適度な酸化力のため, CeO2上でプロペンが過度に酸化消費されることなくNOが酸化活性化され, これがAl2O3上で還元されることによって進行する, と推定した。

著者関連情報
© 公益社団法人石油学会
前の記事 次の記事
feedback
Top