石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
アルミニウム圧延加工製品の表面仕上がり度の定量的解析 (第1報)
走査電子顕微鏡による二次元的解析
佐藤 克行柴田 潤一小高 良輝
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1999 年 42 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

走査電子顕微鏡から得られる反射電子像の観察条件を最適化し, アルミニウムはくに存在するオイルピット, 鉄系粒子および鉄系粒子に付随する微小くぼみの三者を画像解析法で定量的に解析できる方法を見い出した。この定量的解析法により, アルミニウムはくの光沢度の低下要因としてはオイルピットが最も大きく, 微小くぼみの光沢低下に与える影響はオイルピットの十分の一程度である。また, オイルピットの存在量および数は圧延速度を大きくしたり高粘度油を用いると増加し, 光沢度を著しく低下させることを定量的に明らかにした。一方, 鉄系粒子に付随する微小くぼみは圧延油粘度と関係が認められたのに対し, 加工傷は圧延油粘度とは関係がないことがわかった。

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