石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
オゾンを用いた軽油の深度酸化脱硫
大槻 周次郎野中 健銭 衛華石原 篤加部 利明
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1999 年 42 巻 5 号 p. 315-320

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抄録

本研究では, オゾン発生装置により空気または酸素からオゾンを発生させ, ジベンゾチオフェン (DBT) および4,6-ジメチルジベンゾチオフェン (4,6-DMDBT) をそれぞれ150ppmおよび145ppm含む水素化処理油の50°C, 常圧での酸化反応を行った。空気または酸素から発生させたオゾンにより, 軽油中の低濃度の難脱硫性硫黄化合物であるDBTおよび4,6-DMDBTを100%DBTsスルホンに酸化することができた。また, 4,6-DMDBTの方がDBTよりも反応性が高かった。オゾンによる軽油の酸化反応にギ酸を加えるとDBTs転化率が増加した。さらに, 空気を原料としたオゾンによるDBTの酸化反応でも反応時間を2倍にすることで酸素原料の場合と同等のDBTs転化率が得られることが分かった。酸化反応後, ヘテロ原子が酸化され有機化合物が高分子量化したゴム状物質が6.0%析出し, 元素分析の結果, 原料軽油中のヘテロ原子のほとんどを含んでいることが分かった。

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