2001 年 44 巻 4 号 p. 217-224
市販CoMo/Al2O3触媒上でのジベンゾチオフェン (DBT) の水素化脱硫反応活性の評価を行い, ジ (1,1,3,3-テトラメチルブチル) ポリスルフィド (CS-40) の新規予備硫化剤としての可能性を検討した。DBTの脱硫反応において, ポリスルフィドで予備硫化した触媒は従来使用された予備硫化剤-ジメチルジスルフィド (DMDS) および二硫化炭素を用いた場合と同等, または高い触媒活性を示した。また, 触媒の水素化脱硫および水素化活性が予備硫化方法, たとえば硫化剤の種類, 硫化操作の温度プログラム, in situ および ex situ 処理法等に依存していることがわかった。さらに, 放射性35S標識法を用い, DBTの水素化脱硫反応における作動状態での触媒上の硫黄挙動に及ぼす様々な硫化操作パラメーターの影響を調べた。その結果, 触媒活性への硫化剤や硫化温度等の影響は主にそれぞれの硫化過程において形成された触媒上の交換可能な硫黄量の差によるものと考えられる。