環境社会学研究
Online ISSN : 2434-0618
特集 環境社会学の新たな展開
環境問題研究における地域論的視角――日韓の湖沼・干潟開発問題に関する事例比較から――
淺野 敏久
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2004 年 10 巻 p. 8-24

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抄録

環境問題研究において問題解決を志向することが重要である。その上で,何が問題なのか,どう問題になっているのか,どのように問題が作り出されているのかを理解する必要がある。問題構造を把握しようという試みは,研究蓄積も多く,加害論・被害論など,環境社会学の主要研究領域の1つとなっている。本稿では,環境問題の場所による差異に焦点をあて,地域論的な視角からの問題構造把握の可能性について検討した。ポイントは2点で,1つは加害論・被害論とは若干異なる「場所の意味」論としての問題把握であり,もう1つは環境問題の地域間比較である。取り上げた事例は,霞ヶ浦の水ガメ化,中海干拓事業,諫早湾干拓事業,世界最大規模の干拓として現在進行中の韓国セマングム干拓事業の4つである。

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© 2004 環境社会学会
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