2018 年 63 巻 3 号 p. 170-176
生物多様性条約(1992年採択,1993年発効)に基づいて,2010年に名古屋議定書が採択され,遺伝資源を利用する研究について,法的規制がなされている。また,カルタヘナ議定書(2000年採択,2003年発効)に基づいて,2010年に名古屋・クアラルンプール補足議定書が採択され,遺伝子組換え生物の取扱いについて,法的規制がなされている。このような国際的な動きに対応して,日本国内では,2017年8月20日,名古屋議定書の国内措置として,「ABS指針」が施行された。途上国の遺伝資源を研究している企業や大学は,今後,「ABS指針」に基づいて研究活動を行うことが必要になる。また,2018年3月5日には,名古屋・クアラルンプール補足議定書の国内措置として,「カルタヘナ法」の改正法が施行された。今後の遺伝子研究においては,改正カルタヘナ法を遵守し,生物多様性への影響に配慮して研究活動を行うことが重要である。