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PubChemの有用性(3)活性情報
PubChem BioAssayの特徴と創薬情報としての有用性
小島 史照中野 敦子清玄 寺雅媛中村 文胤竹田 英樹
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2007 年 52 巻 2 号 p. 156-162

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抄録

PubChem BioAssayは生理活性情報を有するPubChemのサブセットで, 2007年2月現在, 414の薬理および毒性試験における, およそ37万化合物の構造と, 800万弱の活性データを収録している。その情報はファクトデータであり, 大量にダウンロードして解析することができる。創薬への活用を検討した結果, 1)標的分子が明確な試験は少ない。2)特定の標的分子の活性化合物について, 他のデータベースでは得られない新たな骨格を大幅に増やせる可能性がある。3)既存データベースでは入手困難な「活性がない」という情報を大量に取得できる。以上のことから, 創薬ターゲットを広く俯瞰するような解析には利用できないが, 個々の標的分子のDrug Designにおいて有用なケースもあると思われる。近年, 標的分子が明確な試験データの収録が急速に増加しており, 今後の動向を常に把握していくべきである。

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