植物学雑誌
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ベゴニア葉中のコハク酸酸化酵素系についての研究
佐々木 喜美子
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1962 年 75 巻 893 号 p. 428-435

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抄録

ベゴニヤの葉の磨砕液から分離したか粒区分について, そのコハク酸酸化酵素の性質についてしらべた.
1) コハク酸, フマール酸, リンゴ酸, およびα-ケトグルタル酸はか粒区分によって酸化され, その活 性はか粒区分を ageing するととによりかなり上昇した.
2) か粒区分をリパーゼで処理することにより, コハク酸酸化酵素はかなり溶出し, かつその活性の上 昇が認められた.
3) コハク酸, その他の Krebs cycle に属する有機酸の酸化のさいの最適pHは5.0付近であった.
4) 各種区分によるコハク酸の酸化は cytochrome c の酸化によって促進された.
5) Cyanide, azide はか粒区分によるコハク酸の酸化を著しく, また溶出区分による酸化をかなり弱く阻害した.

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