植物学雑誌
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マツバボタンの花の開閉運動 I
岩波 洋造辻 正
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1962 年 75 巻 893 号 p. 443-448

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抄録

マツパボタンの花の生理学的研究の一部として,花びらの開閉運動がとくに戸外における観察と, 温\度をいろいろにかえたときの花びらの開度の変化とについて調査された.
マツバボタンの花びらが, 実際に動き始めるのは午前5時以前であり, 開花が始まるのは6時半ころである. この際光はなくても開花するので, 日の出=にともなう温度の上昇によって開花すると考えられる.
戸外で開いた花は, 日中, 外界の温度の上下にともなって開度が大きくなったり小さくなったりしている. 日中, 直射日光のもとでは, 花の開度が多少おさえられている.
暗室中に花をおき, 温度をあげさげすることによって, 花の開閉を行なわせることができる. この場合, 温度差が大きいほど開閉運動は急激に行なわ れ, 2°の温度差のときにも花びらの運動がみられた.
筆者らは, 開花を支配する, 開花直前まで残され た比較的簡単な要素は温度差であると考える.

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