1) ダリアの塊根には, 1分子のグルコースと数分子のフルクトースから構成され, 分子のどこかにショ糖部分をもつ一系列の非還元性の少糖類のふくまれていることがわかった. これらの少糖類は, すでに記載されているキクイモの塊茎の少糖類とおなじものとかんがえられる.
2) しかしキクイモの少糖類では, 分子内のグルコースの位置がまだ確定されていない. 本実験でそれは, 各少糖類の分子の末端に位置することがわかった. したがって, ダリアの塊根にふくまれる一系列の少糖類は(おそらくキクイモの塊茎のそれも), ショ糖にはじまり, 各少糖類の末端のフルクトースに, フルクトース残基が一分子ずつ連続的にくわわってでき, イヌリンにいたっているものとかんがえられる.