植物学雑誌
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ハツショウマメのめばえにできる一種のカルス (outgrowth) の生理学的研究 II. そのIAA 代謝, とくにそのIAA破壊活性
佐藤 満彦駒嶺 穆下郡出 正巳
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1963 年 76 巻 902 号 p. 279-285

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抄録

本報では, 前報でその性質のいくっかを記載した, ハッショウマメの芽ばえにできるoutgrowthのIAA代謝, とくにそのIAA破壊活性をしらべた.
1) 上胚軸をきっただけではoutgrowthのできない先端部でも, その切口にIAAを与えると, outgrowth が形成される. このことから, 上胚軸の下の部分の切口からoutgrowthができるさいには,切った個所に, 生長点に期待できるよりも多くのIAAが蓄積し, これがoutgrowthの形成に一役買うものと考えられる.
2) Outgrowthには, 上胚軸にくらべていちじるしく多量のIAAがふくまれている.
3) OutgrowthでIAAがこのように高濃度にたもたれる原因の一端は, そのin vivoのIAA破壊能が上胚軸の諸部分にくらべて低いことにある.

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