植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
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パンコムギにおける分枝穂の形態学的研究
増淵 法之
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1965 年 78 巻 920 号 p. 68-73

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抄録

T. vulgare に属するMR1系統は長分枝, 短分枝および超短分枝に区別される分枝穂を有した. これら分枝穂は重複小穂型から生じたものである.
これら分枝穂の形成過程の形態学的な観察によって, いずれの型も小花が小穂に転化した結果生じたものであることが明らかになった. その転化の原因は花芽の原基の形成過程における過剰形成による.分枝穂の各型間には外観的に著しい差がみられるが, それらの間の差はどの小花が小穂に転化したかの差による. また重複小穂は第一小花だけが小穂に転化したものであり, その原因は同じく原基の過剰形成である.

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