日本CNS看護学会誌
Online ISSN : 2434-4079
Print ISSN : 2189-5090
資料
がん看護領域専門・認定看護師が教育と相談機能を担う中規模A病院における緩和ケアに関する看護師の知識および困難感とその関連要因
林 ゑり子 高野 純子三橋 由貴青山 真帆
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 9 巻 p. 35-42

詳細
抄録

目的:中規模一般病院であるA病院の緩和ケアに関する看護師の知識および困難感とその関連要因を明らかにする.

方法:4段階(初級,中級,上級,達人)のがん看護卒後研修の受講者を対象とし無記名の自記式質問紙調査し統計学的解析をした.

結果:47名に調査票を配布し有効回答は39名であった(83%).緩和ケアに関する看護師の困難感は,「専門家の支援」に対して低く,「緩和ケアの理念」「疼痛・オピオイド」の知識が誤っているほど,「症状緩和」の困難感は高く,経験年数が少なく,緩和ケアの知識不足ほど「患者・家族とのコミュニケーション」の困難感が高い傾向であった.

結論:中規模A病院でがん看護領域専門・認定看護師による横断的な教育相談活動によって,一般看護師が「専門家の支援」を受けられやすいと示唆された.がん看護卒後研修において,研修早期より緩和ケアに関する「理念や疼痛緩和の正しい知識」および「患者・家族とのコミュニケーション」が習得できる体制が必要である.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本専門看護師協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top