日本緬羊研究会誌
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研究報文
ヒツジの第一胃内における粗飼料の分解特性
藤原 勉松井 徹
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2009 年 2009 巻 46 号 p. 12-19

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抄録
 本実験では,粗飼料の第一胃内での分解特性を把握し,その利用性との関連を検討する目的で,禾本科牧草6種類とマメ科牧草4種類の第一胃内における消失率をナイロンバッグ法によって測定した。 ナイロンバッグによる試料の培養のため,内径4cmの第一胃カニューレを装着した去勢雄ヒツジ(体重約41kg)を用い,一日当たり乾物で体重の約2%に相当する混播牧乾草を与えた。供試飼料は風乾後,2mmに粉砕し,乾物で3~5gに相当する量をナイロンバッグ(20~40メッシュ)に投入した。第一胃内での培養時間は8,12,24,48および72時間とし,各飼料につき3反復行った。 各培養時間における禾本科牧草とマメ科牧草の乾物消失率を比較すると,培養開始後48時間までは,マメ科牧草の方が禾本科牧草よりも高い値で推移した。また,タンパク質の消失率を比較すると,各培養時間においてマメ科牧草の方が禾本科牧草の方が高い値で推移した。マメ科牧草は,培養開始後24時間以降では,乾物および粗蛋白質の消失率の増加幅は小さくなった。 本試験で得られた粗タンパク質の消失率の値とヒツジでの消化試験で得られた値を比較すると,禾本科牧草では培養開始後12~24時間での消失率と消化率の値がほぼ一致し,マメ科牧草では,培養開始後8~12時間での消失率と消化率の値とがほぼ一致した。
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© 2009 日本緬羊研究会
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