日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
陰茎象皮病の1例
山本 圭介松岡 庸洋高尾 徹也辻村 晃奥山 明彦久保 盾貴細川 亙角田 洋一山口 誓司
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キーワード: 象皮病, 陰茎, 特発性
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2009 年 100 巻 3 号 p. 500-503

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抄録

41歳, 男性.家族歴・往歴に特記すべきことなし.以前より陰茎腫大を自覚し, 排尿時痛も出現したため前医受診.陰茎の著明な腫大を認めた.MRIにて, 陰茎皮膚および皮下組織の著明な肥厚を認めた.自排尿困難のため, 尿道カテーテル留置の上, 当科紹介.病的な皮膚・皮下組織を切除し, 左大腿部より採取した分層皮弁を陰茎に巻きつけて植皮を行った.病理診断では悪性所見を認めず, 非特異的炎症性変化であった.植皮の生着は良好で, 痛みは減少し尿道カテーテル抜去後も排尿可能であった.術後6カ月現在, 明らかな再発を認めず, 排尿・性機能についても特に問題ない.象皮病はリンパ浮腫の終末像であり, フィラリア感染や外傷・治療・腫瘍・液状異物自己注入などが原因で生じる.自験例ではフィラリア感染は否定的であり, 特発性と考えられた.

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© 2009 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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