日本泌尿器科学会雑誌
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原著
ホルモン抵抗性前立腺癌に対する低用量ドセタキセル+デキサメタゾン療法の検討
柳原 豊三浦 徳宣東 浩司佐々木 豊和西田 智保菊川 忠彦佐藤 秀樹島本 憲司青木 克徳丹司 望武田 肇横山 雅好
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2011 年 102 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

(目的) ホルモン抵抗性前立腺癌に対して低用量ドセタキセル+デキサメタゾン併用療法を施行し,効果と安全性についてレトロスペクティブに検討した.
(対象と方法) 内分泌療法に対して再燃をきたした16例の前立腺癌症例を対象とした.60~80mg/bodyあるいは50mg/m2のドセタキセルを3~4週間毎に投与するとともに,デキサメタゾン1mgを連日投薬した.LH-RHアナログは継続した.
(結果) 16例中13例(81.3%)にProstate Specific Antigen(PSA)値の低下を認め,16例中11例(68.8%)にPSA値の50%以上の低下を認めた.無増悪生存期間は0.7~36.1カ月(中央値7.1カ月),生存期間は4.7~55.4カ月(中央値20.3カ月)であった.血液毒性として,G3の好中球減少2例(12.5%)に認めたのみで,G3以上の非血液毒性として,感染性心内膜炎,脳出血,消化管出血,圧迫骨折を1例ずつに認めた.
(結論) 低用量ドセタキセル+デキサメタゾン併用療法の効果は諸家の報告と同程度であった.血液毒性は軽微であったが,両剤を併用することで非血液毒性は高度になる可能性もあり,注意が必要である.

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© 2011 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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