日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
陰部に発症したA群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)の1例
越智 敦彦直井 牧人江夏 徳寿藤崎 明船田 哲鈴木 康一郎志賀 直樹太田 智則久慈 弘士細川 直登岩田 健太郎
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2011 年 102 巻 4 号 p. 644-648

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抄録

連鎖球菌感染の内,特にA群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎は短時間に敗血症性ショック,多臓器不全から死に至る可能性がある重症感染疾患であり,救命には早期かつ適切な治療(壊死組織のデブリードマンと抗菌薬加療)が要求される.デブリードマンされた組織の鏡検にて連鎖球菌を認めた場合,それがA群溶血性連鎖球菌であるかどうかは,培養結果を待つことなく咽頭用の迅速A群溶血性連鎖球菌抗原検出キット(ストレップA)を用いることで予想することができる.
今回我々は,この検査キットを使用することで早期にA群溶血性連鎖球菌感染症と判断し得た,61歳男性の陰部に発症した壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)の1例を経験した.その起炎菌の早期同定が,適切な外科的処置と抗菌薬の選択を可能とし,救命に繋がったと考えられたため報告する.

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© 2011 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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