日本泌尿器科学会雑誌
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原著
進行腎癌の分子標的治療に伴う疲労・倦怠感に対する人参養栄湯とコウジン末の後方視的有効性検討
仲村 和芳五島 悠介佐塚 智和今村 有佑小宮 顕市川 智彦
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キーワード: 分子標的治療, 疲労, 漢方
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2017 年 108 巻 4 号 p. 194-199

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抄録

(目的) 進行腎癌の分子標的治療に伴う疲労・倦怠感に対する人参養栄湯とコウジン末の有効性の検討

(対象と方法) 進行腎癌で分子標的治療中の疲労・倦怠感の評価目的で,Cancer Fatigue Scaleによるスコアリングを行った結果,病勢の増悪,甲状腺機能低下症,貧血進行などの無い症例でも疲労・倦怠感をきたすことがわかった.そこで,分子標的治療中の疲労・倦怠感に,人参養栄湯1日3包とコウジン末1日3g毎食前の同時内服治療を行った12症例を対象とし,患者背景・疲労・倦怠感の変化について後方視的に検討を行った.疲労・倦怠感のスコアリングは,Cancer Fatigue Scaleを用いた.また,人参製剤内服治療を行う以前の分子標的治療中症例18症例についても併せて検討を行った.

(結果) 対象群12症例と,過去の18症例の背景に統計学的有意差を認める項目はなかった.過去の18症例では,総合点と身体的倦怠感の平均スコアが経過で有意に増悪した(16.2→20.6,p=0.0471,4.39→7.28,p=0.0237).対象群12症例では,総合点と身体的倦怠感の平均スコアが併用後に有意に改善した(21.8→18.5,p=0.041,9.67→7,p=0.0042).

(考察) 進行腎癌の分子標的治療に伴う疲労・倦怠感に対して人参養栄湯とコウジン末の内服治療は有効である可能性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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