2021 年 112 巻 1 号 p. 29-33
75歳,男性.小腸腫瘍に対し小腸切除術施行し病理診断はKIT exon11変異を有する消化管間質腫瘍(GIST)であった.術後18カ月目のCTで,20mm大の右副腎腫瘤を認めGISTの右副腎転移と診断しイマチニブを投与するも,3カ月後のCTで37mm大まで増大し,精査加療目的に当科紹介受診.イマチニブ耐性GISTもしくは副腎原発悪性腫瘍と診断し,後腹膜鏡下右副腎摘除術施行.病理診断はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)であった.術後1カ月目のPET-CTでDLBCLの全身転移を認めR-CHOP療法を6コース施行し完全奏効を得た.