症例は32歳女性.血尿,排尿障害を主訴に来院.CT,膀胱鏡にて膀胱三角部に約2cmの血管に富む表面平滑な有茎性腫瘍を認めたため,TURBTを施行.病理結果はAlveolar soft part sarcoma(胞巣状軟部肉腫)であった.全身検索の目的で施行したCT,骨盤MRI,PET,骨シンチでは膀胱以外の病変を認めず,膀胱原発の胞巣状軟部肉腫と診断した.その後は膀胱鏡やCTを施行し,定期的にフォローを行っているが,10年以上経過した現在も再発,転移を認めていない.膀胱原発の胞巣状軟部肉腫は極めて稀であり,我々の調べ得た限りでは本症例が8例目(本邦では2例目)であった.