日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
術後の病理検査で尿管損傷が発覚し自家腎移植を行った一例と尿管損傷修復アルゴリズム
木下 茜山田 大介本多 一貴團野 哲也徳永 まゆ子宮川 仁平田口 慧秋山 佳之山田 雄太佐藤 悠佑久米 春喜
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2022 年 113 巻 4 号 p. 147-151

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抄録

48歳女性.前医婦人科にて子宮筋腫,子宮内膜症に対し子宮全摘術と両側卵巣囊胞切除術を施行された.術後に腎機能の増悪を認め,病理組織検査で尿管組織を指摘され,左尿管損傷修復について当科紹介受診した.

腎瘻からの順行性腎盂造影検査にて尿管欠損部は9.5cmであった.尿管損傷修復として尿管膀胱吻合は困難と考えられ,右腸骨窩の癒着が強くなく血管が確保できれば自家腎移植術の方針とした.

術中操作で骨盤内の血管を確保できたため,左腎の右腸骨窩への自家腎移植術を施行した.術6カ月後の腎機能は保たれ,エコーで水腎を認めず腎血流も良好であった.

尿管損傷の再建法を苦慮し文献検索をした経験から,尿管損傷長によるアルゴリズムを作成した.

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