1982 年 73 巻 5 号 p. 609-618
前立腺酸性フォスファターゼ (PAPase) 活性のみを測定する免疫化学的方法を用いて, 前立腺癌患者26例, 他臓器癌患者13例 (腎細胞癌3例, 膀胱腫瘍5例, 肝癌5例) の PAPase 活性を測定し, 第2報において報告した前立腺肥大症患者の PAPase 活性と比較検討した. また, 同時に全酵素活性値, L-tartrate 阻害による PAPase 活性も測定し検討した. 全酵素活性値, L-tartrate 阻害による PAPase 活性の検討では, 前立腺癌患者の stage T1T2群は前立腺肥大症患者, 他臓器癌患者と比較した場合には差を認めなかつたのに対し, 免疫化学的方法による PAPase 活性の検討では有意に高かつた.