自治医科大学泌尿器科において, 1974年4月15日の開院より9年間に尿路変向術が施行された症例は100例で, 男子78例, 女子22例, 男女比は3.5対1であった. 最年少者は4歳, 最年長は84歳, 平均年齢は60.2歳であった. 原因疾患は膀胱腫瘍76例, 子宮癌6例, 尿道癌4例, 前立腺癌3例その他の悪性腫瘍3例で良性疾患は8例であった.
施行された尿路変向術は, 膀胱瘻造設術8例, 腎瘻造設術7例, カテーテル尿管皮膚瘻造設術56例, 回腸導管造設術9例, 尿管S状結腸吻合例であった.
100例全例の5年相対生存率は51.2%で, 膀胱移行上皮癌のため膀胱全摘術を施行した53例の5年相対生存率は58.7%であった.
膀胱全摘術とともに尿路変向術を行った61例の術後死亡率は4.9%であった. これらの膀胱全摘術の症例の術後早期合併症及び晩期合併症について尿路変向術式別に比較, 検討した.