日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
Impedance 法による尿道コンプライアンスおよび尿道断面積計測に関する研究
男子排尿障害患者における臨床的検討
原田 忠福田 孝餌取 和美西沢 理能登 宏光熊崎 匠木暮 和明
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1985 年 76 巻 9 号 p. 1341-1348

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抄録

健康成人5名および男子排尿障害患者12例の尿道コンプライアンス, 尿道閉鎖圧, 尿道断面積を impedance 法に基ずく特殊プローベで測定し以上の結果を得た.
1)健康成人男子尿道のコンプライアンスは内尿道口部が0.071~0.11cm3/mmHgと最も高く, 遠位ほど低かった. そして尿道閉鎖圧は外括的筋部尿道が最も高く40.4~52.7mmHgであった. 最大尿道断面積は, 近位部で1.2~1.83cm2と大きく, 外括約筋部は1.14~1.63cm2, 遠位部では1.10~1.41cm2であった.
2)前立腺肥大症患者の前立腺部尿道のコンプライアンスは, 正常者のそれと同程度であったが, 最大断面積が小さくなる傾向がみられた.
3)前立腺癌患者は尿道コンプライアンスは著しく低く, 最大断面積は狭小化しており尿道閉鎖圧は高値を示した.
4)尿失禁を認めた尿道の閉鎖圧は0~25.6mmHgと著しく低かった.

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