1985 年 76 巻 9 号 p. 1381-1385
摘出ウサギ腎盂平滑筋の isometric force を記録して, isoproterenol の効果について検討した. 腎盂切片として腎盂上位切片および腎盂下位切片および腎盂の上部から下部までを含む腎盂全体切片の3種類を用いた. 腎盂上位切片では毎分8.4±0.9回, 腎盂下位切片では毎分2.3±0.4回の規則正しい収縮が記録された. isoproterenol を投与すると腎盂上位切片の収縮力は増加し, 腎盂下位切片および腎盂全体切片の収縮力は低下した. この結果は腎盂の上位の平滑筋は isoproterenol に対する収縮反応において他の平滑筋とは異なりむしろ心筋に類似していることを示唆していると考えられた.