Urinary undiversionの1例
術前検査におけるcyclic bladder hydrodilationの意義
1985 年 76 巻 9 号 p. 1419-1424
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1985 年 76 巻 9 号 p. 1419-1424
両側尿管皮膚瘻造設10年後の16歳男子に, 両側尿管端々吻合を用いて undiversion をおこなったので報告する.
術前の腎機能は正常範囲内, 排泄性腎盂造影で軽度の両側水腎症があった. 膀胱造影では30mlの注入で激痛があり, 両側残存尿管上端にいたるVURを認めた.
膀胱容量を拡大して十分な尿流動態検査をおこなうために, 膀胱瘻を造設し cyclic bladder hydrodilation を施行した. 23日間で膀胱容量は200mlまで拡大しVURも消失したので, undiversion の際膀胱拡大術・逆流防止術の併用は不要と判断できた. 残尿, 尿失禁の有無を観察したが問題なかった.
後腹膜腔から両腎に到達し, これを剥離して可動性を増し, 両側尿管端々吻合を施行した. 術後右側の吻合部に狭窄が発生し, double-J-catheter を挿入した. その後の経過は順調で排尿も全く正常, 患者の“quality of life”は著しく改善された.
undiversionの術前検査について, 特に cyclic bladder hydrodilation の意義を中心に考察した.
