1988 年 79 巻 6 号 p. 985-993
計測可能病変を有する尿路上皮腫瘍遠隔転移症例14例に対し, 第1日目MTX20mg/m2, VCR0.6mg/m2, CPM500mg/m2, ADM20mg/m2, BLM30mg/body, 第2日目CDDP50mg/m2, 第1~3日目PRD20mg/bodyを投与するMVP-CAB療法を行い, PR11例, NC1例, PD2例が得られ, その有効率は79%であった. 1人当たりのMVP-CAB施行回数は1~13 cycle, 平均4.6 cycle である. 有効症例の生存期間は3~26カ月 (平均11.5カ月), 無効症例の生存期間は2~9カ月 (平均6.3カ月) で, 有効症例においては予後の延長が認められた. 本療法の主たる副作用は白血球減少で, 93%の症例に白血球数4,000/mm3以下の, 64%の症例に2,000/mm3以下の減少が認められたが, 適切な抗生剤投与, 新鮮血輸血や成分輸血により重篤な併発疾患は防止し得た.