日本泌尿器科学会雑誌
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腎細胞癌の臨床的研究
新しいTNM分類に基づいた予後の検討
佐藤 健河合 弘二西島 由貴子佐々木 明桐山 功吉井 慎一宮永 直人岩崎 明郎阿弥 良浩真鍋 文雄石川 博通小磯 謙吉
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1989 年 80 巻 12 号 p. 1802-1808

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抄録

1978年1月から1988年11月までの約11年間に筑波大学で経験した腎細胞癌の92症例について, 臨床統計学的分析を行い検討した.
1. 78名の患者に対して根治的腎摘出術が, 2名の患者に対して腎部分切除術が施行された. 3名の患者は他院にて腎摘出術を受けていた. 9名の患者に対しては保存的治療のみが施行された.
2. 患者全体の1年, 3年, 5年, 10年生存率はそれぞれ81.8%, 58.0%, 55.3%, 50.2%であった.
3. 新しいTNM分類による3年生存率は, 56名のT2患者が71.3%, 16名のT3a患者が66.8%, 16名のT3b患者が24.1%であった. T3b群はT3a群に比べて予後が悪い傾向が示され, 従来この二つを一緒にしていたT3群の予後の評価のうえでより正確性を増した.

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