日本泌尿器科学会雑誌
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腎機能の低下した腎細胞癌に対して腎部分切除術後にα-インターフェロン療法を施行した1例
野口 良輔友部 光朗赤座 英之小磯 謙吉
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1995 年 86 巻 6 号 p. 1181-1184

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抄録

腎機能の低下した腎細胞癌症例に対して, 腎部分切除術を施行した後にα-インターフェロン療法を施行し, α-IFNの血中濃度や, 免疫学的パラメーターを測定した. 腎機能については腎部分切除術によりCCRが32.6から28.5ml/mに低下した. 初回投与におけるIFNの血中濃度は12時間後にピークが生じ, 24時間後も10.4IU/mlであり, わずかな蓄積傾向が認められた. 4週間連日投与では, 血中濃度は徐々に上昇したが, 投与量の加減は必要としなかった. NK活性やADCCは連日投与では返って, 活性がそれぞれ, 6, 28%に低下したが, 維持療法では26, 73%に上昇した.

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