日本泌尿器科学会雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
ISSN-L : 0021-5287
保存的に治癒し得た経皮的腎瘻術による結腸損傷の1例
大森 正志平石 攻治多田羅 潔
著者情報
キーワード: 経皮的腎瘻術, 結腸損傷
ジャーナル フリー

2002 年 93 巻 5 号 p. 638-641

詳細
抄録

10歳, 女児. 腎盂尿管移行部通過障害と診断され入院. 腎機能評価のための経皮的腎瘻術後, 経皮的腎盂形成術を行った. 術前に造設していた腎瘻の位置が不適当なため術中にX線を用いて腎瘻を再造設し, 著変なく腎盂形成術を終了した. 53日後の腎瘻造影で結腸が造影され, CTではカテーテルが結腸を貫通していた. 腎瘻孔より順行既に尿管内にダブルJステントを挿入し, 腎瘻カテーテルの先端を結腸内に位置させ腸瘻とした. 翌日, 膀胱内に造影剤を注入しステントを利用した逆行性腎盂造影を施行, 瘻孔の閉鎖が確認されたので2日後に腸瘻を抜去した. 経皮的腎瘻術の穿刺ラインである後腋窩線にまで結腸が入り込むことがあり, 穿刺時にはX線透視と超音波を併用し, 穿刺ライン上の腎周囲臓器の存在に十分注意する必要がある.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top