日本泌尿器科学会雑誌
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サイトメガロウイルス感染による胃潰瘍を認めた献腎移植の一例
石黒 伸池田 哲大島本 憲司丹司 望大岡 啓二横山 雅好
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2004 年 95 巻 6 号 p. 777-780

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抄録

腎移植後に発症した, サイトメガロウイルス (CMV) 感染が原因と考えられる急性胃潰瘍の1例を報告する. 症例は48歳, 男性. 献腎移植術後30日目より心窩部の不快感および疼痛を訴えたため胃内視鏡検査を施行. した. 肉眼的には急性胃潰瘍の診断であり, 胃粘膜生検の病理学的診断はCMV感染による胃潰瘍と診断された. 術後57日目よりガンシクロビルを投与開始し, 計2週間投与した. その間, CMV-antigenemia が陽性となることはなかった. ガンシクロビル投与とともに徐々に胃部症状は改善した. レシピエントが術後, 消化器症状を呈し, 急性胃潰瘍が疑われた時は, 薬剤性・ストレス性・ピロリ菌感染以外に, CMV感染も必ず念頭に置く必要があると思われる.

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