日本泌尿器科学会雑誌
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膀胱癌に対する膀胱全摘除術から16年後に回腸新膀胱による尿路再建を行った1例
堀 淳一加藤 祐司芳生 旭辰佐賀 祐司橋本 博柿崎 秀宏
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キーワード: 尿路再建, 回腸新膀胱, 腎瘻
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2007 年 98 巻 1 号 p. 34-36

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抄録

症例は59歳, 男性. 1989年 (43歳時) に膀胱癌に対し他院で膀胱全摘除術および両側尿管皮膚瘻造設術が施行された. その後難治性のストーマ周囲皮膚炎が出現し, 当科紹介となった. 2003年に両側尿管結紮および経皮的腎瘻造設術が施行された. しかし, 腎瘻カテーテルによる腎盂腎炎が頻回に発生し, また患者のQOLも障害されていたため, 2005年に残存する尿道を利用して回腸新膀胱 (Hautmann 法) による尿路再建を施行し, カテーテルフリーとなった.
長期間, 腎瘻カテーテルが留置された症例において, カテーテル留置に伴う合併症のためにQOLの低下を認めた場合には, 患者の意思・基礎疾患・全身状態を考慮した上で, カテーテルフリーを目指した尿路再建を施行し, 腎機能の保持とともに, QOLの改善を目指すべきであると思われる.

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