検影法は他覚的に屈折度を測定する最も満足すべき正確な方法である。しかし,主なる目的は自覚的屈折検査の前段階としての価値である。熟練した検者では極めて高い精度が得られ,条件のよいときには屈折度で0.25D,乱視の軸の5°まで測定できる。多くの教科書では通常,検影法の理論の詳細な説明がある。しかし,検影法は書物の上で学べるものではなく,たゆまざる実習を通してのみ会得できる方法である。複雑な図による説明は文献的資料としては有用であるが,これを理解するにはあまりに複雑で長時間かけても難解である。そこで,ここではできるだけ平易に簡単な幾何光学の式を用いて解説した。