目的:改造した自動視野計を用いて錐体系と杆体系の反応を簡便に分離測定する。
方法:対象は健常者68例114眼(21~61歳,平均年齢35±11歳),および網膜色素変性1眼,杆体一色型色覚1眼である。30分間の暗順応の後,改造した自動視野計により杆体系(500nm)および錐体系(650nm)の2波長の検査視標を用いて視野測定を施行した。
結果:健常者では,500nm視標に対しては周辺よりも中心窩で最も低い相対感度を示し,650nm視標に対しては中心窩で最も高い相対感度を示した。網膜色素変性の症例では,両波長において中心窩より周辺で著しい相対感度低下を示した。杆体一色型色覚の症例では,500nm視標に対する相対感度の上昇を認めた。
結論:本法は,通常の静的視野検査と測定時間はほぼ同等であり,臨床の場で錐体系と杆体系の反応を簡便に捉えることができ,実用的であると考えられた。
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