視覚の科学
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総説
3D映像の生体影響
不二門 尚
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2011 年 32 巻 2 号 p. 19-22

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抄録

3D映像を見ているときの輻湊と調節の関係を,両眼同時に測定できる波面センサーを用いて測定すると,Step状に飛び出しの3D映像を提示した場合には,調節は一過的に近視化した後,また画面上に戻り,輻湊と調節が解離することが示された。3D映像4時間視聴後の視機能の変化を118名の正常被検者で検討すると,一過的な近視化,縮瞳,内斜傾向が有意に認められ,副交感神経系優位の変化と考えられた。立体視の感受性期は6歳くらいまでであることが報告されている。3D映像は,両眼の像を偏光眼鏡または液晶シャッター眼鏡で分離する方法をとっているため,両眼視が不安定な小児に対しては,慎重な対応が必要である。

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© 2011 日本眼光学学会
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