3D映像を見ているときの輻湊と調節の関係を,両眼同時に測定できる波面センサーを用いて測定すると,Step状に飛び出しの3D映像を提示した場合には,調節は一過的に近視化した後,また画面上に戻り,輻湊と調節が解離することが示された。3D映像4時間視聴後の視機能の変化を118名の正常被検者で検討すると,一過的な近視化,縮瞳,内斜傾向が有意に認められ,副交感神経系優位の変化と考えられた。立体視の感受性期は6歳くらいまでであることが報告されている。3D映像は,両眼の像を偏光眼鏡または液晶シャッター眼鏡で分離する方法をとっているため,両眼視が不安定な小児に対しては,慎重な対応が必要である。
本研究は,個々のプリズムが異なる頂角をもつマイクロ・プリズムを微細加工により形成してアレイ状に集積的に配置することで,光学系のレンズと同じ機能を実現することを目的としている。また,この方法を発展させれば,単焦点レンズだけでなく多焦点レンズを作ることも可能となる。試作実験では,新しいソフトウェアを開発し,このマイクロ・プリズム・アレイを形成する個々のプリズムの頂角を計算してその設計値を導き出した。そして,その設計値を基にフォトレジストをステッパ(縮小投影型露光装置)で露光して蒸散させ,所用の形状を生成する方法を試みた。しかしながら,実際の試作では,設計したマイクロ・プリズム・アレイを得るためにいくつかの問題点が明らかになった。
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