視覚の科学
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32 巻, 2 号
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巻頭言
総説
  • 不二門 尚
    原稿種別: 総説
    2011 年 32 巻 2 号 p. 19-22
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/11/22
    ジャーナル フリー

    3D映像を見ているときの輻湊と調節の関係を,両眼同時に測定できる波面センサーを用いて測定すると,Step状に飛び出しの3D映像を提示した場合には,調節は一過的に近視化した後,また画面上に戻り,輻湊と調節が解離することが示された。3D映像4時間視聴後の視機能の変化を118名の正常被検者で検討すると,一過的な近視化,縮瞳,内斜傾向が有意に認められ,副交感神経系優位の変化と考えられた。立体視の感受性期は6歳くらいまでであることが報告されている。3D映像は,両眼の像を偏光眼鏡または液晶シャッター眼鏡で分離する方法をとっているため,両眼視が不安定な小児に対しては,慎重な対応が必要である。

原著
  • 藤江 龍登, 宇野 義幸
    原稿種別: 原著
    2011 年 32 巻 2 号 p. 23-30
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/11/22
    ジャーナル フリー

    本研究は,個々のプリズムが異なる頂角をもつマイクロ・プリズムを微細加工により形成してアレイ状に集積的に配置することで,光学系のレンズと同じ機能を実現することを目的としている。また,この方法を発展させれば,単焦点レンズだけでなく多焦点レンズを作ることも可能となる。試作実験では,新しいソフトウェアを開発し,このマイクロ・プリズム・アレイを形成する個々のプリズムの頂角を計算してその設計値を導き出した。そして,その設計値を基にフォトレジストをステッパ(縮小投影型露光装置)で露光して蒸散させ,所用の形状を生成する方法を試みた。しかしながら,実際の試作では,設計したマイクロ・プリズム・アレイを得るためにいくつかの問題点が明らかになった。

  • 三橋 俊文, 山内 泰樹, 広原 陽子, 大川 賀孝, 不二門 尚
    2011 年 32 巻 2 号 p. 31-40
    発行日: 2011/12/10
    公開日: 2013/12/03
    ジャーナル フリー
    眼底の可視域のマルチスペクトル画像では,短波長域で網膜血管のコントラストが高く,長波長域で脈絡膜の構造があらわれることが知られている。液晶波長可変フィルタを付加した眼底カメラで500~720nm まで10nm ごとに撮影した5 例5 眼のマルチスペクトル画像を観察すると,590nm 以下の画像では網膜内の動脈と静脈が,600~620nm では網膜内の静脈が,630nm より長い波長では脈絡膜血管があらわれることがわかった。また,マルチスペクトル画像に主成分分析を適用すると,個々の測定に対して得られた10 個の主成分に網膜血管,網脈静脈や脈絡膜血管の特徴があらわれる主成分がみつかった。また,同じ特徴をもつ主成分の重みベクトル間には統計的に有意な相関があった。
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