視覚の科学
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原著
調節安静位の調節変動量測定における負荷調節レフARK-1sの有用性について
中村 葉中島 伸子小室 青池田 陽子外園 千恵木下 茂
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2016 年 37 巻 3 号 p. 93-97

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抄録

様々な年齢の正常眼において負荷調節レフARK-1s(ニデック社製)で雲霧下調節安静位の波形を解析した。対象は調節に影響のある眼疾患を有さない6~47歳の219例219眼(男性81例,女性138例,平均年齢16.7±9.3歳),平均等価球面度数-3.04±2.31Dの症例である。今回の測定機種の測定信頼性をあらわす指標として瞬目や固視不良などの割合(削除率とする),調節の安定性をあらわす指標として屈折度の標準偏差の2倍(調節変動量とする)を求めた。削除率は中央値13.2%であり,円柱度数が大きいほど削除率が大きくなる傾向を認めた(p<0.005)。調節変動量は中央値0.15Dであり,年齢が低いほど変動量は大きくなる傾向を認めた(p<0.05)。

ARK-1sによる調節測定は若年者でも測定可能であり,正常眼において調節安静位の調節変動量は年齢に影響されることが示唆された。

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© 2016 日本眼光学学会
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