2023 年 44 巻 4 号 p. 89-93
近年,デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が頻繁に使われている。2050年の崖を越えるため,DXは企業だけでなく,医療現場においても課題となっている。DXの主力は人工知能(AI)であり,日本眼科学会もいち早く日本眼科AI学会を発足し,データベースの構築や角膜疾患を判定するAIを開発している。眼科領域におけるAIは前眼部と網膜に焦点を当てた物が多いが,眼球運動の計測においてもAIは利用されている。本稿では,眼球運動を非侵襲的に計測するアイトラッカーとAIに関する研究について,自験例を交えて解説する。