2026 年 37 巻 1 号 p. 29-36
末梢神経損傷に対する治療として,断裂した神経断端間に適度な距離を保ち,人工神経をconnectorとして使用した場合の神経再生について研究を行った。マウスの坐骨神経を切断し,断端間の距離を1mmとして人工神経で架橋したモデル (CR) と直接縫合モデル (DR) を作製し,接合部での遺伝子発現,軸索再生過程と組織形態学的評価,機能改善の評価を行った。再生初期に接合部周囲で血管新生が豊富なDRで再生速度が速い一方で,CRでは有意な髄鞘形成と神経栄養因子の継続的な増加,筋断面積の改善を認めた。人工神経をconnectorとして使用することで,緩徐ではあるが,質的に有意な神経再生が起こる可能性が示唆された。