2026 年 37 巻 1 号 p. 24-28
末梢神経障害に対する手術成績はおおむね良好だが,術後の瘢痕や癒着による症状残存や再燃が課題である。既存のvein wrappingや海外で臨床使用されている神経保護材は,自家組織犠牲や異物反応による炎症のリスクを伴う。われわれは,物理的癒着防止と高濃度メチルコバラミンの局所徐放というデュアルエフェクト機能を有する生分解性ナノファイバーシートを開発した。動物モデルでは血中濃度に影響せず運動・感覚機能の有意な回復促進が認められ,現在は手根管症候群に対する臨床治験が進行中である。本デバイスは,術後の再癒着防止と神経再生を同時に達成する新たな治療戦略として期待される。