施設配置モデルは施設までのアクセシビリティを考慮して施設の最適配置を決定するものである.したがって,施設の需要の分布が変化すれば,自ずと最適な配置も変化する.本論文では,人口分布が周期的に変動する条件の下での時空間最適施設配置モデルを提示することを目的とする.このモデルによって,人口の変動が大きいと施設の頻繁な再配置が必要となること,再配置単価が高くなると逆に再配置の頻度が制限されることを明らかにする.さらに,モデルを用いて,世代間の公平性に着目しながら,運用とアクセシビリティの費用への影響を評価した結果,コンパクト化を行わないときは人口減少期の世代の両方の費用負担が増大するが,都市のコンパクト化を行うことが少なくともどちらか一方の費用の削減に寄与することを示す.