Peripheral Nerve 末梢神経
Online ISSN : 2760-1633
Print ISSN : 0917-6772
原著
重症肘部管症候群の術後に手内筋麻痺は回復するのか : 尺骨神経筋膜下前方移行術単独群と前骨間神経移行術を追加した群の比較
貝澤 幸俊, 太田 壮一, 舩本 知里
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2026 年 37 巻 1 号 p. 99-105

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抄録

 重症肘部管症候群に伴う手内筋麻痺の治療は困難である。今回われわれは,術前のWartenberg徴候が陽性で,術前に神経伝導検査が行われており,術後6ヵ月以上の経過観察が可能であった14例を対象として,尺骨神経前方移行術のみを行った群 (単独群,60±16歳,9例) と前骨間神経の端側吻合移行術 (SETS) を追加した群 (追加群,68±15歳,5例) を比較し,手内筋回復に対するSETSの効果を評価した。Wartenberg徴候は単独群の66%で消失したが,追加群では全例で残存し,追加群での第3掌側骨間筋の回復不良が示唆された。にもかかわらず,鍵つまみ力が有意に改善したのは追加群のみであった。この一見矛盾する結果には,端側吻合部レベルでの尺骨神経のtopographyが関係している可能性がある。

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