2006 年 10 巻 2 号 p. 30-39
【目的】ストーマ保有者の自己適応とストーマケアとの関連を明らかにする。
【対象】4つの異なる機関で継続的にストーマケアのフォローアップを受けているストーマ保有者およびオストミークラブ会員526名である。
【方法】Ostomate’s Self Adjustment Scale ver. 2(以下、OSAS 23)を含む無記名式質問紙を用いて、ストーマ保有者が受けたケア状況と自己適応との関連を調査する。
【結果】ケア状況とOSAS23で有意差を認めた項目は、術前の説明、ストーマ位置決め、ストーマ位置満足度、排泄の考え方に関する教育の有無、ストーマケア指導時期、セルフケア、装具満足度、ストーマ外来指導満足度、皮膚障害の有無であった。
【結論】ストーマ保有者の自己適応はケア状況と関連しており、なかでもストーマ位置満足度は深く関連していた。ストーマ保有者の自己適応を促進するためには、ストーマ位置決めの専門的技術を提供することや、術前から患者が主体的に参加できるストーマケアを推進すること、回復期ケアにストーマ保有者の満足度を確認しながら関わることが重要と考えられる。