抄録
看護師が臨床でストーマケアを行うときのにおいへの配慮および実際のケアを明らかにすることを目的に、10施設の看護師に質問紙調査を行い、308名の回答を得た。装具交換時ににおいに配慮している人は52%、便の廃棄後、排泄口がにおわないように意識している人は57%で看護経験年数が長かった。また、装具交換時の排泄物のにおいが気にならないという人のほうが看護経験年数が長い傾向がみられた。さらにストーマケア経験年数が長い人たちほど装具交換を行う場所、ストーマ袋の処理方法、排泄口の拭き取り、防臭対策の説明で、においに配慮したケアを実践していた。過去の体験では、オストメイトからの相談を受けたことがある人は、においに配慮していたが、同室患者からのクレーム、先輩や同僚から指摘や指導を受けた人は、においへの配慮の程度との関係はみられなかった。今後は、経験年数や体験にかかわらず、においに配慮したケアが実践できるようなストーマケア教育が必要である。