日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
一時的ストーマ造設患者の配偶者のレジリエンス
新田 紀枝石澤 美保子宮野 遊子佐竹 陽子前田 由紀田中 寿江奥村 歳子上谷 千夏石井 京子藤原 千惠子
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2014 年 18 巻 3 号 p. 305-312

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抄録

 本研究は、一時的ストーマ患者の配偶者のレジリエンスを明らかにすることを目的に、一時的ストーマ患者の配偶者5名に半構成的面接を行い、Grotbergのレジリエンスの3つの枠組み:個人の内面の強さ(I am)、周囲からの支援(I have)、対処する力(I can)を用いてカテゴリーの抽出を行った。その結果、配偶者に対する周囲からの支援(I have)が《支えてくれる家族がいる》、《支えてくれるストーマ体験者がいる》、《支えてくれる医療者がいる》、《困ったときに相談する場がある》、《患者の存在に助けられる》の5カテゴリー、配偶者の個人の内面の強さ(I am)が《あるがまま受け止める》、《楽観的に受け止める》、《ものごとのよい面をみる》、《周囲の人に病気を隠さない》、《自分の気持ちに正直である》、《自分を信じられる》、《これまでの自分の経験が強みになっている》、《患者の世話以外にやるべきことがある》の8カテゴリー、対処する力(I can)が《必要な情報が入手できる》、《患者への主体的な対応ができる》、《必要なストーマケアに関与できる》、《自分の感情がコントロールできる》、《自分の人生を前向きに捉えられる》、《患者と一緒に病気に取り組める》の6カテゴリーが抽出された。本研究において、配偶者が患者のストーマケアに必要に応じて、主体的に参加することが配偶者のレジリエンスを高めることが示唆された。

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© 2014 一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会
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