抄録
5施設のオストメイト40名を対象に交流分析の自己成長型エゴグラム(以下SGE)を用いて分析し、臨床における患者指導に取り入れる可能性を検討した。分析に際しては各自我状態ごとの平均値と標準偏差を求め、それぞれの得点の高低を考察する際に、芦原によるSGEのパターン分析に準じて3群にわけた。SGE平均値はCP16.0 ± 2.85、NP14.6 ± 3.93、A12.5 ± 4.38、FC12.1 ± 4.61、AC10.9 ± 3.77であり、同じSGEを用いた陶山らの研究による肺癌患者や健常者の平均値と比較するとCP、ACが高く、NPが低値であった。また、今回対象とした40名では術後経過年数や年齢によってACに有意差が見られたが、男女別に有意差がなかった。今後はSGEを術前、術後、退院後など機会がある毎に施行し、患者の心理的傾向を横断的に把握し、生活指導の一手段として活用すべきである。