日本語版IADS の信頼性と妥当性を原版4 症例と日本人高齢者12 症例を用いて検討した。経験年数の異なる看護師18 名と医師2 名を対象に、信頼性は評定者間信頼性と評定者内信頼性の相関係数を算出した。妥当性は皮膚・排泄ケア認定看護師を基準者とし、全症例における基準者と評定者19 名の重症度一致率とIAD 臨床所見の採点一致率を算出した。原版症例の評定者間級内相関係数は0.724、評定者内級内相関係数は0.868 であり、日本人高齢者症例の評定者間級内相関係数は0.359、評定者内級内相関係数は0.403 であった。原版症例の重症度一致率は0.400 - 1.000、IAD臨床所見の採点一致率は「なし80.0%」、「赤55.4%」、「発疹36.9%」、「皮膚欠損51.7%」であった。日本人高齢者症例の重症度一致率は- 0.016-0.66、IAD 臨床所見の採点一致率は「なし60.0%」、「ピンク56.8%」、「赤33.1%」、「発疹45.5%」、「皮膚欠損40.3%」であった。原版症例では信頼性・妥当性が認められたが、日本人高齢者を対象とした採点にあたっては、色調変化の範囲に関し採点の再現性が低くかつ異なる評価をする可能性が信頼性・妥当性が得られなかった理由として考えられた。